Momo's dairy

Born 1996. I post works of my daily life.

「Hilma af Klint: Paintings for the Future」

インスタグラムに投稿したものですが、

時々こういう展示のレビューも書いて行こうと思います。

 

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グッゲンハイムにて。

「Hilma af Klint: Paintings for the Future」
とても見れて良かった。女性として感慨深いものがあるなあと思ったので書きます。

 

NYの最終日、GuggenheimのHilma af Klintの展示を見に行きました。どうしてこの展示がすごく価値のあるものか?というと、それはHilma af Klintという女性の画家がこの時代に抽象表現主義の作品を創作していた、ということの、アメリカでの初回顧展だから。
抽象表現主義創始者といわれるカンディンスキーマレーヴィチモンドリアンなどの男性が抽象絵画を描き始めたのは1910年前後だと言われている。
しかし実際には、クリントは彼らよりも早い1906年頃からなんと196もの抽象的な絵画を描いていた。
彼女は自身の没後20年は絵画を公開しないでというメモを遺したので1986年頃までそれらが公開される事はなかった。

しかし公開された1986年から30年後の今になって大規模に展示がされていることを考えると、彼女の作品が認められるのに約50年かかったことになる。(ベルリンでは2013年に展覧会がやられていたが。)
metoo運動の盛り上がりを含め、女性の社会進出がようやく表立ってきた今だからこそ、社会的な注目や意義が高いとしてこの回顧展も開催されたのだろう。

当時公開されても女性画家としてはきっと認められるはずもないと彼女は知っていたんだろうと思う。
何百もの作品を、今ではなく未来に託すということ。
彼女が想像した20年後の未来とはどんな未来だろうか。
そのストーリーはとても感慨深く、また、神秘主義、霊的なものからインスピレーションを受けて描かれた彼女の絵画にはとても感動した。

Paintings for the Futureというタイトルに、
ただの未来ではなく、何かもっと切実なものを感じる。

彼女の作品の中で、青は女性、黄色は男性を表しているという。
白鳥の絵画のテーマはは生と死。男性社会の当時、

暗闇のなかの白い白鳥は女性で、
白い光の中の黒い白鳥は男性かな、
とかそんなことを想像しながら見ていた。

 

#hilmaafklint